『人格尊重』


 
「馬鹿ッ教師から子供を守る」という週刊誌の見出しに、目がとまりました。
十数年前、転職し初めて専門学校の先生になったとき、驚いたことがありました。あまりの世界の違いに早めにここをやめようと決心したほどです。

学生のフィールドは教室なので、何か話があるときは私が教室へ行き、そこで話をするようにしていました。
ベテランの先生方は、ダメな学生を教員室へ呼んでは、大きな声で叱り飛ばすのです。その先生は自分の後ろに味方を大勢背負っているので、声はだんだん大きくなります。18歳にもなっているのに、その学生の人格などどこにもないのです。ボロボロに言われて、やがて、やめていくことになるのです。

さて、現在の話。授業中に帽子をかぶっている学生に対して、どのように指導をしたらよいでしょうか? と、企業で要職についている経済学の非常勤の先生から相談を受けたことがあります。部屋の中では、帽子を取るように学生に言うと「先生遅れているんじゃないの?最近は、帽子はおしゃれのひとつなので、部屋の中でかぶっていていいものなんですよ」と返してくるそうです。
そこで先生は「私はよいと思わない、ここでは従ってもらう」と言うと「なんで、僕にばっかり言うんですか?」と切れたように話すので、先生はあきれて黙ってしまい、後味が悪いとのことでした。

「帽子を取れ!」と言えば、反発したくなるだろうから「いい帽子だねぇ、でもちょっと取ってみて、あぁその方がもっといいよ」と易しく言ってあげると言う先生もいます。


私は、授業の初めに授業のねらい・進め方について話し、いくつかの約束をするので、その約束が気に入らなければ、授業を受けてくれなくてよいと言う姿勢も大切だと思っています。社会に出て、または組織の一員になると、自分がその他の大勢の人に合わせなくてはならない場面がたくさんあります。そのときに、自分流の屁理屈をならべていては通用しません。

もし「なぜ僕ばっかり・・・」と言われたら「なぜ、あなたに言うかというと、あなたは、話がきちんと理解できると思ったから。他の人に言うかどうかは、私が決めるわ」と言います。
「人格」は双方にあるのです。

私は「なぜダメなのか」では「どのようにすればよいのか」を具体的に明確に伝え、理解してほしいと思っています。
それは「学生の人格を尊重するからこそ」です。




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