「 物の価値とライフスタイル 」


 
 


茶道のお稽古で学ぶことの一つとして「物の扱い方」があります。
『重い物は軽く見えるように、軽い物の扱いは丁重に重々しく見えるように意識して扱いなさい』と習います。

茶道具で歴史的に時間が経っている物を「時代がのった物」という言い方をします。
作者が誰かということも重要であれば、歴代所有していた人が誰かということも、その物の価値に含まれ、時代がのった貴重な物として位置づけられます。
この「時代がのった物」を傷つけたり壊したりすると、昔で言えば切腹をして申し開きをするそうです。すなわち時間の経過で、より価値が高くなった物をたとえどのような理由であろうとも壊すということは、お金でも、他のどのような謝り方でも足りない、取り返しのつかない失敗ということなのです。

学生のころ、ウエッジウッドのコーヒーカップが欲しくて、お小遣いをためて買った記憶があります。これで飲むコーヒーは美味しいと思え、洗うときは人に任せず、とても気をつけて壊さないように丁寧に扱ったことを合わせて懐かしく思い出します。

最近では物があふれていますし、ブランド物のコーヒーカップなど簡単に手に入り珍しくもありません。その物の価値は変らないはずなのに、私自身の扱いが雑になっていると残念に思わざるをえません。

物の価値は値段だけで決まるわけではなく、100円ショップの便利さも日々実感しています。日常に自分の好きな物、似合う物、上質な物を持つことの喜びは、同時に物の価値を高め、扱いも丁寧になると思います。
その中でも、上質な物が似合うような行動のあり方、自分と物とのバランスなど、その物の扱いをとおして気づき身につけたいと考えます。





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