秋の日の午後、オルガンのコンサートへ少しおしゃれをして友人と出かけました。
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からぁ〜ん! からぁ〜ん!と鐘の音で心地よく始まりはじまり・・・。
コンサートは『希望のささやき』の合唱からスタート。様子の分からない私と友人は、このスタートに驚きながらも、いつの間にか輪唱に加わっていました。
大正10年に建てられたという池袋にある自由学園の明日館(国の重要文化財)の講堂は、いかにもリードオルガンが似合いそうな温かな木造の建物で、そこ自体が一つの芸術でした。
250名も入ればいっぱいになる講堂の中央にリードオルガンが2台。その四方に教会にあるような木の長いすが並び、座席にはきれいな時代物の布地の洋風座布団が敷かれて、観客がオルガンをはさんで四方から向き合うような会場でした。
リードオルガン、教会や学校の片隅に埋もれている足踏み式のオルガンをご記憶ですか?(今回使用されたのは、Yamaha Organ Hamamatsu 39鍵とClough&Warren61鍵の2台でした)
コンサートの主役は、「オルガン」。その弾き手は、宮沢賢治の音楽の研究家で知られる佐藤泰平先生。先生は、四十数年前に教会の礼拝で心温まるオルガンの音色に魅せられて、その後、幼児の音楽教育の中で「宮沢賢治と音楽の関係」を研究、賢治がリードオルガンを弾いていたことを知り、興味をかきたてられたとのこと。お話では、古いものほど個性的で、潤いや輝きを感じさせてくれるそうです。
宮沢賢治の研究家は、多くいますが宮沢賢治の「音楽の研究家」は、これまであまり聞いたことがありませんでした。また私も友人も今まで、「雨にも負けず、風邪にも負けず・・・」や「セロ弾きのゴーシュ」など知ってはいましたが、宮沢賢治の作品にあまり興味を持たずに過ごしてきました。
全員での合唱、オルガンの演奏のあとに、セロ(チェロ)のソロ演奏、オルガンとの共演がありました。最後に、俳優のたかぎひろみちさんがマントをまとい、宮沢賢治愛用の帽子をかぶって登場。賢治の短編「龍と詩人」を魅力的な低いお声で朗読。そのバックにオルガンとチェロの効果音。投獄されている竜と詩人の会話の臨場感ある光景が感じられ、本当にひとときですが異次元の感覚でした。
『宮沢賢治の音楽』を、佐藤泰平先生のこだわりと思い入れいっぱいのコンサートの中で、懐かしい音色とともに楽しむことができました。
皆さんは、文化・芸術を、いかがお楽しみでいらっしゃいますか?
リードオルガンの演奏をお聞きになれます。少しだけお楽しみくださいませ。
http://members.jcom.home.ne.jp/katsuhiko-m/nagao%20organ.htm
佐藤泰平先生プロフィール:
東北大学教育学部音楽専攻卒業。ニューヨーク市ユニオン神学校修士課程宗教音楽科修了。専門は合唱指導・幼児の音楽教育。宮沢賢治の音楽の領域に関心を持ったのがきっかけとなり、日本の古いリードオルガンの保存・修復・演奏をアピールしながら、全国各地を訪ねている。
著書「宮沢賢治の音楽」(筑摩書房)。 日本リードオルガン協会員。
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