『  秘書技能検定1級に合格して・・・  』
 
〜合格前後の私 ・ 勉強の取り組み方〜



15年前の原稿が出てきました。稚拙な文章ですが、
ちょうど秘書検定にチャレンジの季節。
受験者のお役に立てばと思い「合格前後の私」
「勉強の取り組み方」を二部構成でお届けいたします。

『 合格前後の私 』

転職して1ヶ月で挫折した。企業での常務付秘書の仕事をやめて専門学校の講師としての転職だった。8年間勤めた企業への帰属意識が強く、物事の良し悪しを図る「ものさし」は、すべて企業のときのものであり、そのギャップは大きかった。
退職までの3ヶ月に迷いはなかったのに、この挫折は気を弱くした。
しかし、2ヵ月後には、学生25名に秘書検定(3級)を受験させなければならない。そのための授業の準備をしていて、「私が2級合格ではいけない」と気づいた。
教えながら、自分で仕事をしていたときのことは正しかったのだろうか、他の会社でも通用するのだろうか、と思うことも多く、それならなおのこと、確認のためにも
秘書経験、記憶の鮮明なうちにチャレンジしてみようと思った。
受験勉強の期間はちょうど1ヶ月。スケジュールを立てて、「忠実に実行できたら合格!」と勢いをつけた。日曜日と試験の前日は、何もしないことに決めて、毎夜8時から11時までの3時間と通勤電車の往復2時間を勉強にあてた。

試験直後の私は、根が尽きていたが、筆記試験合格で元気を取り戻した。服装や意識の部分を整えることのほかには、何もせずに面接試験に臨んだ。ありのままの自分を見ていただくしかないと考えたからだ。面接は一夜漬け、付焼刃はダメだと思っていたが、たとえば報告では、新聞のコラムの要約を普段からしておくと
カバーできるので、何もしないで試験に臨むのは、もったいないと後で反省した。

秘書検定1級合格は、私に多くのメリットを生んだ。転職1ヶ月目の挫折した私に前向きな充実した日と自信を与えてくれた。講師としてのヤル気を生み、企業への後ろ髪を引かれる思いをストップした。そして転職に大反対であった父の信用を取り戻すこともできた。なにより自分自身の「前向きな仕事への姿勢」を見出せたことが一番であった。

秘書という仕事に就いた10年前、転職して秘書検定1級に合格した現在。
小さな勇気と少しの努力、何かが少しずつ変化して、今の私があるのだと思う。
「この私が合格してよいのだろうか」という不安から「さぁ、合格した今からが1級の勉強だわ!」という気持ちに切り替わったことを忘れないよう、今後も1級の問題にチャレンジし続けたいと思っている。

『 勉強の取り組み方 』

<ブロック1・・・一般常識>>
一番範囲が広く、覚えることが多く苦手だったので、最初に取り組んだ。新聞の見出し文、毎日のニュース、就職用の常識問題集等に目を向けたが、それにプラスして、過去問題集を6回分やってみて、その中の重要な用語を全て取り出して、
英単語を覚えるように一覧表を作り、電車の中で読み返した。この用語の意味調べは、問題集の正解、ガイド、現代用語の基礎知識、国語辞典、新聞のスクラップを利用した。
わからない言葉、知らないことは、すぐにメモをして調べる習慣は秘書の頃からついていたので、それほど苦にすることはなかった。

<ブロック2・・・秘書の資質>>
秘書として、「上司のよい仕事環境を、いかに作れるか」を頭におき、どこまで臨機応変さと自分なりの工夫点がまとめられるか、を目標に勉強した。
まず、登場人物を整理し、問題で求められていることを確認する。
たとえば、「上司とお客様の両方にどのような対処が必要か。箇条書きで書け」とあれば、上司、お客様を分けて記述することが条件であるし、「順を追って書け」とあれば、流れを考えて書かなくてはならない。問題文の最後をきちんと読み取ることが特に大切だと思う。また資質では、人に対する問題が多いので、秘書経験者以外の人も、頭の中で理性的な答えを考えるだけでなく、実際に同じような場面を日常から拾い出し、自分がそこにいたらもう一工夫できることはないか、を考えて書くのがよいであろう。

<ブロック3・・・秘書の職務知識>
大切なことは、「上司の仕事の領域と秘書の仕事の範囲を知り、これを守ること。」そのために秘書の仕事を自分自身の退職時に作成した「引継ぎ書」を基に分類してみた。ある典型的な一日、1週間、1ヶ月、半年という枠で仕事を考えてみた。
そのあとで、ガイドをもう一度読みながら分類、仕事内容の確認をした。実際の秘書の仕事には、表現しにくい雑務が多いことを改めて感じた。しかし、この作業は大変楽しく夢中になって進められた。秘書時代の回想を行っていたようである。

<ブロック4・・・マナー接遇>
秘書は相手のある仕事。その相手とは、一緒に仕事をする上司であり、上司を取り巻く社内の人、家族、友人、そして得意先のお客様。その人たちに失礼のない応対ができる常識を持っていること、すなわち、相手との距離を上手に保てるコミュニケーターであること。このコミュニケーターとしての仕事をとおして得た事は大変多く、秘書という仕事で得た財産だと思い、今も大切にしている。
このブロックでは、敬語、話し方、電話応対、接客、交際の業務のまとめをしたあと、問題中心に取り組んだ。

<ブロック5・・・技能>
会議、文書、資料管理、環境の整備、事務用品・備品、日程管理と分けて取り組んだ。技能のブロックは、「とにかく覚える方式」で進めた。会議の流れや社内外文書は、現場でのことを思い出しつつ、儀礼文書は、典型的なお礼状、見舞い状、依頼状などの文案をいくつか覚えこんだ。普段は覚えなくてもよい郵便料金等は、クイズ形式で進め、家族や友人を巻き添えにした。覚えておくと得することが多いと改めて感じた。技能の問題は、特に3・2級が基本なので、3・2級に戻って問題を何度もやっておくことが1級への近道のようだ。

<ブロック6・・・まとめ>
いよいよ試験まであと1週間になったので、1級の問題を各回ごとに時間を計って通してやってみる。1−5のブロックで実問題にすでに1回ずつ挑戦しているので、当然のことながら満点が取れるはずなのだが、時間的にも内容的にも余裕のない解答になっていたので、結果的には、試験直前日にも頭をひねっていた。



 



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