「白鳥のように・・・」 

 
証券 秘書歴 6年 M.Y.

                


私の上司は、バードウオッチングが趣味で、私も「鳥」に関する本を時々読みます。その中にあった白鳥の生態に、興味を持ちました。白鳥は親子や夫婦など仲間との絆が大変強く、越冬の時期が終わっても、傷ついた仲間がいるといつまでも一緒に残っているそうです。優雅に泳ぐ姿の下では一生懸命に足を動かし、仲間との絆を大切にしている白鳥。
スマートに見えても水面下での騒動を決して見せてはならない、チームワークを必要とする秘書と似ているように思います。

先日、ニューヨーク支社のVIPが来社されたときのことです。約束時間の10分前に、海外営業部から「先方の人数が3名から7名になりました」という知らせが入りました。こちらの出席者と合わせると、一番大きな応接室でも、社員二人にパイプいすを使うことになります。上司からは「会議室ではなくソファーの応接室を」と指定されていましたが、大会議室に変更したほうがよいか。

結局、今できる最大限のことをしようと判断し、パイプいすを使うことなく応接室を利用することにしました。この人数の変更による調整を、あと数分間で行わなくてはなりません。関係者への連絡、用意しておいたお茶やお土産の追加、お帰りの車の手配など、秘書課員の力を借りての大騒動です。しかし何より大変だったのは、応接室のレイアウトを変更して、ソファーを追加する作業でした。絨毯にあとが残るため、引きずることのできない重いソファーを、大勢で持ち上げて運ばなければなりません。ほかのお客様に気づかれないようにしながらの移動です。そして、何とか来訪までには間に合い、何事もなかったようにVIP一行をお迎えすることができました。

ソファーを運び終えたあとの、秘書課員たちの汗がにじんで紅潮した顔が、今でも目に焼きついています。秘書はお互いの仕事が見えにくく、また個人プレーのところも多々あります。しかし、秘書の仕事に変更、調整はついて回るもの。緊急事態やトラブルがあったときは、慌てずに、まず自分で考えられる最大限ことを考え、周りの人たちに協力してもらい達成できるということを体得できた、感謝の日でした。

「白鳥のように優雅に」とはいかなくとも、上司や同僚との深い信頼関係を築きながら、水面下では努力や苦労を惜しまないようにがんばろうと思います。






Copyright (c) 2001 Cross Point Ladies. All rights reserved.


「知りたい!秘書のノウハウ」現役秘書のHOTなコラム Buck Numberに戻る