知りたい!プロの仕事 

〜 書道教室講師 〜
小さな書道教室
『お行儀も一緒に習う』



お茶・お花・お習字・和裁など30年ほど習い続けた、自分の身体にしみこんだ記憶を蘇えらせつつ、その教えに感謝しながら、今、小学生の子どもにお習字を教えています。
一朝一夕には身につけることのできない教養、子どものうちに生活の中から自然に身につけておきたい身のこなし、小さなことだけれど大切なことを一つずつ伝えています。

書道に関しては、「書くこと」をずっと好きでいて欲しいと思っているので、子どもが集中できる時間を考えて、書く枚数を10枚と限定して、一枚一枚をていねいに書くことを教えています。書きあがった作品は、まず良くできているところを十分に褒め、直した方がよいところを、これも丁寧に伝えるように心がけています。

私が教えている場所は自宅です、しかも数名の子どもですので、看板を掲げた大きな教室とは様子が違います。お習字を教える前、1回目のお稽古のときに子どもたちといくつかの約束をしました。

具体的にお話しましょう。

ご挨拶(靴のそろえ方) 「こんにちは」の挨拶をして上がってから、自分で靴をそろえる。そうすると見た目もきれいだし、帰るときにも履きやすい。
大きな声で話さない 学校帰りで話が盛り上がっていると、到着して家に入ってからも、その場の雰囲気などよめないので、大声で話しながら部屋まで入ってきます。そんな興奮状態のときは、周りの人のことを考えるように言います。
用のない部屋のドアを開けない 教室と決めた部屋以外の部屋が開いていたり、何か音がしていると気になって、ドアを開けてみたくなる。これも同じことで、生活の場であることを話します。
月謝袋 人に物を渡すときは、両手で相手に正面が向くようにすること。
半 紙 半紙を忘れたときは、きちんと話して、御礼を言ってもらうように。「忘れちゃった、 どうしよう」などと言っていても、ちゃんと話に来ないとあげません。
姿 勢 背筋をピッと伸ばして、机に正対しないと文字を正しく書けません。右に寄ったり左に寄ったりくねくねしたり、だらしのない字になります。
おやつ このときもテーブルに正対するように言います。飲み物は、お代わりをくださいと言ってもらうように、でもおやつのお代わりはなし。不公平にもなるし、夕飯にも影響するので。またいつもおやつがあるわけではないことも教えたい。
帰 り 玄関で必ず、「ありがとうございました」と「さようなら」を言うように。

どれをとっても、なんでもなくできそうでいて、自分の親からは、習うことができないことばかり。私自身も、親から言われたことよりも、お茶の先生の言葉を素直に、また厳粛に受け止めていた気がします。

お茶の先生から教わった中で、特に印象に残っていることは、日曜日の朝、どんなに早く行っても打ち水(玄関先がきれいに掃除され、水をまくこと)がしてあったこと。そのことから、教える側の厳しさも感じていました。お稽古に早く行くと、床の間の軸をかけたり、茶花を生けたり、灰型を勉強させてもらえた。人と同じにしていては、教われなかったことをいろいろ教えてもらいました。先生はいつも背筋をピンと伸ばして、ちょっと口うるさかったけれど、美しく老いることのお手本だったように思います。

今、私も美しく老いることを目指して、背筋をピンと伸ばして、心豊かに日々を暮らしたいと心がけています。

                                         Cross Pointスタッフ K.T.



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