人生には三つの“さか”があるという。“上り坂”“下り坂”そして“まさか”。
高校教諭18年目を迎えた平成16年の春、“まさか”に遭遇。これまでに経験のない「育成会」(保護者と教職員による生徒の健全育成と学校発展を目的とする組織。ParentTeacherAssociation)という校務の「主任の辞令」・・・。「まさか!私が?」。初めてのことゆえに、業務の先が見えず、主任として保護者や教職員に協力を仰ぐにも準備、連携、段取りなど、配慮の行き届く仕事ができず、常に目の前のことに追われる悔しさとの葛藤が続きました。
最近では、教育界においてもサービスマインドが求められ、特に私学では「育成会活動」が学校の発展や教育環境の充実に大きな影響をもたらします。保護者にも育成会活動に参加・協力していただき、満足を得ていただこうということです。
平成17年春、2年目も主任継続。1年目に細やかに記録を取ったノートが私の一番信頼できる秘書として大活躍。先が見えるとプラスアルファーの配慮を添えることができ、新たなアイデアも浮かぶようになりました。仕事の流れを把握し、周りとの連携も取れるようになったと感じたころ、次なる“まさか”が。教職員の一部から、そこまでしなくても、このくらいでいいのではないか、という声が聞こえたり、言われないとしない指示待ち族が現れ、忙しいという理由で役割を避けようとする消極的な姿勢が見え始めたのです。教師が変われば学校が、生徒が変わるのです!
“できない理由を並べるのではなく、できる方法を考える姿勢”を自ら実践し、サービスマインドを熱く伝える責任を感じています。
教育界は、ここ二十数年で大きく変化しました。
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偏差値・成績重視で学歴や就職・収入など何かにつけ一番を求める詰め込みの競争型。競争に乗り遅れたら落ちこぼれと呼ばれた「ナンバーワン」を意識した時代。
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協調性重視の生きる力やコミュニケーション能力の育成、そして個性を重視したゆとり教育という「オンリーワン」を意識した時代。 |
「ふるいに掛けるような競争」から「個性と協調」へと激変です。競争重視も過度になると差別や偏見など問題が生じますが、個性やゆとりと称した教育も我慢や試練を乗り越える力、人としての成長の機会を無くしてしまっている子供たちを多く生み出していると感じます。このままでは学校生活と社会生活のギャップに対応できない若者が増えることは間違いありません。
今、子供たちが生きにくい時代といわれています。最も大切な「人としての生き方」を誰も教えてくれないからだそうです。生きる力やゆとりは、他から与えられなくても自分で見つけだし身につけていくものです。子供たちが、本当の厳しさや優しさに触れ、人として育つ環境として、周囲の大人達、特に父母や教育者が一生懸命に生きている姿をみせることが大切です。
「ナンバーワン」も「オンリーワン」も自分の能力を引き出し、向上させていくためにはとても大切なキーワードですが、これからはいったい何が求められるのか。こう考えていた昨年末、中谷彰宏氏の著書に見つけた「ファーストワン」の文字。これだ!と思いました。最初に始めよう!ということです。ナンバーワンやオンリーワンというのは、何か特別な知識や能力、人より優れた技術が必要ですが、ファーストワンは日常の生活や仕事場で、やってみよう!というほんの少しの意識があれば誰にでもできるのです。挨拶、掃除、出勤(登校)、花の水換え。別に他の人の後から取りかかっても何の問題もないことですが、最初に取り組む人には美しい波動を感じるのです。
新年にあたり、“まさか”に遭遇したら、新たな“ファーストワン”の機会ととらえ、“できない理由を並べるのではなく、できる方法を考える姿勢”で臨みたいと思います。
Cross Pointスタッフ M.H. |